IT法務の基本④ ソフトウェア・プロダクト
企業が利用可能なソフトウェア・プロダクトには、さまざまな種類があります。主に開発主体やそれに伴う権利関係による違いですが、導入コスト、導入の容易さ、自社業務への適合性、保守の容易さ、利用の継続性、などの特性に(時に大きな)差があります。
しばしば、プロダクト導入の当初は十分な見極めができず、検討や作業の過程で方針変更を余儀なくされる場合があります。例えば、パッケージ・ソフトウェア導入の前提で進めていたものが、カスタマイズを要することになる、スクラッチ開発の前提であったのが、OSSを組み込む必要が生じる、といった場合です。こうした方針変更は一概に否定すべきではありませんが、上記の特性に大きな変化が生じますので、慎重な判断を要します。
また、どのプロダクトを利用するのかについては、当然のことながらユーザが把握している必要があります。もちろん、パッケージとスクラッチを取り違えることなどあり得ませんが、スクラッチ開発中のソフトウェアにベンダのひな型やOSSが、ベンダの独断で(ユーザの了解を得ることなく)組み込まれることがあり、注意を要します。