1.事務所について
- Q.依頼するのに、紹介者は必要ですか?
- IT紛争/IT法務に十分対応できる弁護士へのアクセスは、まだまだ限られているのが実情です。そのため、当事務所では、IT関連の案件については紹介がなくても受任させて頂いています。ただ、事案の内容その他によっては、お引き受けできない場合もありますので、ご了承下さい。
- Q.当社はシステムユーザ企業なのですが、受任してもらえますか?
- 当事務所は、依頼者を限定していませんので、もちろんお受けできます。ユーザ企業の場合、ベンダ企業に比べてITの内容に踏み込んだ交渉力に欠ける場合があり、ご依頼頂くメリットはより大きいものと考えています。実際、ユーザ企業様から、より多くの依頼を頂いています。
- Q.当社はシステムベンダ企業なのですが、受任してもらえますか?
- 当事務所は、依頼者を限定していませんので、もちろんお受けできます。ベンダ企業の場合、自社内にトラブル解決の仕組みや経験があるために、かえって弁護士に相談するタイミングが遅れ、解決の糸口を逃してしまう場合がありますので、早めのご相談をお勧めしています。
- Q.依頼することのできない案件はありますか?
- 当事務所の側からお断りすることは通常はありませんが、利益相反に当たるケース(例えば、紛争の相手方から既に相談を受けている場合)など、法令上お受けすることができない場合があります。また、特殊な知見を要する案件や、受任業務が集中している時期の案件については、やむを得ずお受けできないことがあります。
- Q.料金はどのくらいですか?
- 所定の報酬規程によりますが、大雑把に言えば、訴訟や調停の場合は、経済的利益に応じた着手金(事件への着手時に必要となる費用)と報酬金(事件の結果による成功報酬)の形、それ以外の場合は、タイムチャージ(目安時間を設けておくこともできます)を基本としています。実際の金額は、事案の類型や難易度等によっても変わってきますので、まずはお問い合わせ下さい。
2.取扱い業務について
- Q.相談だけでも良いのですか?
- もちろん、相談だけでも構いません。むしろ、トラブルが初期のうちであれば、1~2回の相談だけで解決の目途がつく場合も少なくありません。何か問題が生じたら、早めに相談においで頂くことをお勧め致します。また、相談した結果によって、本格的に依頼するかどうかを判断して頂くこともできます。相談料は、初回に限り、割安のチャージレートを設定しています。
- Q. いま抱えている事案は、「取扱業務」に載っているメニューにはピッタリ当てはまらないように思うのですが?
- 「取扱業務」のメニューは、どのようなものか分かりにくいと言われる弁護士のサービスを、説明のために類型化したものですが、実際の紛争解決や紛争防止は、一件一件が「カスタムメイド」のサービスと考えています。当事務所では他にも、IT紛争/IT法務の全般に対応していますので、事案の内容を良く伺ったうえで、最善の解決に向かえるよう提案させて頂きます。
- Q.通常の契約書類のリーガルチェックなどもお願いできますか?
- 契約書をはじめ、RFPや個人情報保護規程、プライバシーポリシーなどの文書のリーガルチェックや作成も行っています。IT系の契約に特化した、契約書のひな形も用意してありますので、短期間でご要望にお応えすることができます。また、継続的なご依頼がある場合は、顧問契約をさせて頂くこともできます。
- Q.スポットで依頼するのと顧問契約するのとでは、どういう違いがありますか?
- どちらでも案件の進め方そのものに違いはありませんが、顧問契約をいただいている場合は料金に割引があるほか、一般の案件より優先して対応に当たります。また、顧問契約には、継続的な関係の中で組織や業務の状況が分かるほか、トラブル等に至る経緯も把握しやすくなるため、電話やメール一つですぐに初動に入れるというメリットもあります。
3.紛争/トラブル時の対応について
- Q.裁判所から訴状が届きましたが、どう対応すればよいのでしょうか?
- 相手方から訴訟を提起されており、訴訟そのものを回避することはできません。対応せずに放置してしまうと、いわゆる「欠席判決」となり、相手方の言い分が全て認められてしまいますので、注意が必要です。特に、提訴された直後は、呼出状で指定されている第一回口頭弁論期日までに一定の対応を取る必要があり、迅速な対応が求められます。訴訟対応は、本人自らが行うことも可能ですが、法人の場合は代表者か支配人に限られますので、弁護士を代理人に選任するのが通常です。
- Q.訴訟をする場合の段取りはどうなりますか?
-
以下、原告側(訴える側)に立った場合の、中規模のIT訴訟のイメージです。
- ヒアリングや資料の収集・整理と訴状の作成(1か月少々)
- 第1回口頭弁論期日(提訴後1か月少々)
- その後の期日(1か月~1か月半に1回程度)
- 証人尋問や検証などの証拠調べ
- 証拠調べと前後して和解期日
- 判決言渡し(最後の期日から2か月程度)
判決まで行くとすると、少なくとも数回以上の期日を重ねますので、1年半から2年、場合によってはそれ以上かかることもあります。その間、証拠調べや和解を除けば、期日に出席頂く必要はありませんが、文書の確認や証拠の調査などをお願いすることになります。ご依頼頂いた場合は、タイムチャートを用いた詳しい説明を差し上げています。
- Q.トラブルの相手方から内容証明郵便が届きましたが、どう対応すればよいのでしょうか?
- まずは書面に書かれている相手方の主張を十分に理解することです。そして、事実関係の整理、関連するエビデンスの収集、関係者からの聞き取りなどを行ったうえ、相手方の主張の当否を評価し、争っていくか、融和の方向でいくかなど、対応方針を定めます。内容証明郵便が用いられるのは、本来は通知内容(例えば、契約解除の意思を示したこと)を証拠化するためですが、トラブルのレベルが一段階上がったこと、(書面の名義によらず)相手方に弁護士が関与していることを示している場合も多く、慎重な対応が望まれます。
- Q.できれば「裁判沙汰」にはしたくないのですが、可能でしょうか?
- IT関係の紛争は、訴訟になってしまうと、費用・期間・労力の点で負担も大きく、たとえ勝訴したとしても十分な救済にはならない面があります。そのため、交渉その他での解決や立て直し、あるいは未然防止を指向することが賢明で、当事務所でも、そうした意識で取り組んでいます。もっとも、対立が厳しい状況で訴訟の選択肢を初めから除外してしまうと、そのこと自体が交渉力を下げてしまうことがありますので、状況に応じた解決方法を選択することが必要です。
4.その他
- Q.まだ話し合いの最中で決裂したわけではないのですが、弁護士に依頼する意味はありますか?
- むしろ、まだ交渉の余地がある早期に相談頂く方が、選択肢が多く効果も上がります。弁護士が前面に出ると対立感が強くなり過ぎるという場合は、「IT顧問」として話し合いに同席したり、バックヤードから助言したりといったこともお勧めしています。
- Q.既に顧問弁護士に頼んでいるのですが、重ねて依頼するメリットはありますか?
- IT紛争には、考慮しなければならないITの専門的論点が多々あるため、通常のように顧問弁護士に「お任せ」するだけでは難しい場合があります。そのような場合、セカンドオピニオンの形でのサポートが有効と考えています。関与の内容・程度については、柔軟に対応させて頂きます。
- Q.地方なのですが支障はないでしょうか?
- 当事務所は東京所在ですが、地方からのご依頼も多く頂いています。紛争解決にはコミュニケーションが重要ですので、できるだけ直接の面談をお願いしていますが、それほど複雑でない相談対応や契約書類のチェック等であれば、電話やメールのみでの対応も可能です。こちらからの地方出張が必要な場合は、旅費、日当が別途かかります。
- Q.弁護士に依頼するのは初めてなので、どうすれば良いのか全く分からないのですが?
- 「取扱業務」に掲載されている紛争事例をご覧になったうえで、早めに法律相談をお受け頂くことをお勧め致します。トラブルの状況を伺ったうえ、法的アドバイスはもちろんのこと、相手方との交渉の可能性、提訴した(された)場合の見込み、今後の進行のバリエーション、必要となる費用まで、詳しくまた分かりやすく説明致します。
- Q.IT訴訟なら必ず勝てますか?
- 残念ですが、必ず勝つことはできません。しかし、より良い結果に向けて最大限の努力を致します。また、勝ち負け以外にも、将来の紛争の未然防止やリスク対策など、何かが残るような取組みを心がけています。